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障害年金の請求を応援する社会保険労務士のブログ

障害年金の仕事が大好きな東京都町田市の社会保険労務士が、誤解だらけの障害年金のことを暑苦しく語ります。

検査値や一定の状態により障害年金の等級が明確なケースとは

障害年金(障害の程度)

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 前回の続きです。

blog.yotsuba-support.net

検査値または肢体の切断などで、法令(以下、便宜的に「等級表」と書きます)に明確に示されているけれど少しわかりにくいもの、障害認定基準でほぼ明確に等級が決まっているものについて、ざっくり書きます。

該当する場合は、障害年金を受給するための3つの要件*1のうち、そもそも大前提となる障害程度要件が満たせることになりますので、他の要件については年金事務所などで確認して下さい。

なお、3級より少し軽い障害手当金(一時金)に該当する状態で、疾患が治っていない(症状が固定していない)*2場合は、全て3級の年金となります。

検査値や一定の状態により障害等級が明確なケース一覧

眼の障害

等級表で示されている視力障害のほか、求心性視野狭窄や輪状暗転による視野障害は検査値のみで等級が決まります。

  • 8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野がそれぞれ5度以内→2級
  • 両眼の視野がそれぞれ10度以内で、かつ、8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した視野の合計がそれぞれ56度以下→2
  • 両眼の視野がそれぞれ10度以内のもので、8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した視野の合計のうち左右のいずれかが57度以上→障害手当金
聴覚障害

等級表では、両耳の聴力レベルが100デシベル以上で1級、90デシベル以上で2級とされていますが、次の場合も等級がはっきり決められています。

  • 両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上かつ最良語音明瞭度が30%以下→2級
  • 両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上→3
  • 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上かつ最良語音明瞭度が50%以下→3級
  • 一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上→障害手当金
音声又は言語機能の障害

このカテゴリーで障害等級がはっきりしているのは、咽頭全摘出手術により発音に関わる機能を喪失した場合のみで、単独では2級となります。

ただ、この場合、そしゃくや嚥下機能の障害も併せて起こっているケースが多く、「併合認定」の扱いになるため、ちょっと複雑です。

併合について書き始めると、このエントリが終わらなくなるため、またにしますが、該当する可能性のある方や周囲の方は、「咽頭全摘出で、発声と嚥下ができない場合はちょっと注意」ということだけ頭の片隅に入れておいて下さい。

肢体の障害

肢体の障害はわかりやすいと思われがちですが、切断や完全麻痺などの場合をのぞき、じつはかなりわかりにくいです。特に平成24年の障害認定基準改正後は判断が難しくなりました。

ともあれ、状態がハッキリしている場合に限ると、等級表に書かれた切断等のほかは、人工骨頭または人工関節を入れている場合ということになります。

具体的には、「上肢または下肢の3大関節のうち、1関節以上に人工骨頭又は人工関節を挿入置換した」という状態は、基本的には3級です。

(とはいえ、挿入置換しても状態が良くならないときは2級以上の可能性もあります。特に両下肢の場合は要注意です。術後しばらくして安定し、状態が良くなった場合は、まず3級だと思って下さい)

ほか、切断・離断について、等級表には「欠くもの」と「失ったもの」があって、どう違うのか、よくわかりません。この部分については、障害認定基準で次のようにされています。

  • 「上肢の指を欠くもの」とは、基節骨の基部から欠き、有効長が0の状態
  • 「上肢の指を失ったもの」とは、親指については指節間関節(IP関節)、その他の指については近位指節間関節(PIP関節)以上で欠く状態
  • 「一下肢を足関節以上で欠くもの」とは、ショパール関節以上で欠く状態
  • 「下肢の指を欠くもの」とは、中足趾節関節(MP関節)から欠く状態
  • 「一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失ったもの」とは、中足趾節関節(MP関節)以上で欠く状態
心疾患
  • 人工弁を装着した場合→3級
  • ペースメーカー、ICD(植込型除細動器)を装着した場合→3級
  • CRT(心臓再同期療法医療機器)、CRT-D(両心室ペーシング機能付埋込型除細動器)を装着した場合→2級
  • 心臓移植をした場合→1級
  • 人工心臓を装着した場合→1級

(心臓移植と人工心臓の場合、術後1〜2年程度経過観察した上で症状が安定している場合は再認定となり、ずっと1級というわけではありません)

腎疾患

例として何度か書いているとおり、人工透析療法施行中の場合は2級になります。

その他の障害
  • 人工肛門または新膀胱を造設もしくは尿路変更術施行の場合→3級
  • 人工肛門を造設かつ新膀胱を造設または尿路変更術施行の場合→2級
  • 人工肛門を造設かつ完全排尿障害(カテーテル留置または自己導尿の常時施行を必要とする)状態にある場合→2級
  • 遷延性意識障害→1級

これらは認定の時期がそれぞれ違うなど、少しややこしくなりますので、年金事務所などで、よく説明を受けて下さい。このブログでも機会をみてまた書きます。

まとめと少し注意したいこと

上記の等級が基本とされるものの、状態によっては、より上位等級となることもあります。たとえば、「基礎年金で人工肛門だけに該当するから年金は受けられない」というわけでもありません。

また、特に心疾患や肝疾患、腎疾患などの内部障害では、検査数値と「一定の状態」の組み合わせで等級の見当のつくケースが多く、障害認定基準の該当部分を主治医の先生に見ていただければ、何級に該当するかだいたいわかるはずです。 

ここではひとまず一覧的に書いておきたかったため、色々と省略している部分があります。まず障害年金に該当しそうか知りたいという場合は、年金事務所で相談するか、もう少し手軽に、社労士の無料電話相談を活用する手もあります。

もちろん、ここに書いた以外の状態の方が、請求数としては圧倒的に多くなります。カテゴリーごとに、今後少しずつ書いていきたいと思っています。

*1:加入要件・保険料納付要件・障害程度要件。それぞれについてはまた書きます。

*2:「症状固定」についても長くなるためあらためて書きます。